2026
10.27
M高史の一本歯下駄インストラクターインタビュー 第1回 中村友梨香さん(北京五輪女子マラソン日本代表)

一本歯下駄で『現役時代の走る感覚』が伝えやすく!北京五輪マラソン代表・中村友梨香さん

インストラクターインタビュー, 中村友梨香

連載:M高史の一本歯下駄インストラクターインタビュー第1回

「M高史の一本歯下駄インストラクターインタビュー」全国で活躍し続ける一本歯下駄インストラクターの皆さんにM高史がお話を伺うシリーズです。記念すべき第1回は元マラソン日本代表の中村友梨香さんにお話を伺いました。実業団・天満屋時代には北京五輪マラソン日本代表、ベルリン世界陸上ではマラソン7位入賞を果たしました。2016年に一本歯下駄に出会い、現在は市民ランナーさんや学生選手に下駄の指導も行っています。

一本歯下駄を手に笑顔で話す中村友梨香さん
北京五輪女子マラソン日本代表・中村友梨香さんにお話を伺いました。(写真提供全て本人)
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女子マラソンで日本代表に

1986年4月1日、京都府福知山生まれの中村友梨香さん。その後は、兵庫県西宮市で育ちました。中学から陸上部に。中学時代は県大会で入賞したことはあったものの、ほとんど目立たない存在だったそうです。

県立西宮高校に進んでから一気に力をつけて2年生の冬には千葉国際クロスカントリーで優勝。3年生のインターハイでは3000mで6位入賞。その年の全国高校駅伝ではチームは3位に。中村さんはエース区間の1区を任されて区間6位(日本人3位)とチームの表彰台に貢献する走りを見せました。ちなみに当時、県立西宮高校でご指導をされていた萩原健吉先生は現在、中村さんがコーチを務める神戸学院大学女子駅伝競走部の監督というご縁です。

高校卒業後は女子マラソンの名門、天満屋へ。初マラソンとなった2008年3月名古屋国際女子マラソンでは2時間25分51秒で優勝を飾り、その年の北京五輪マラソン日本代表に選出されました。北京五輪では13位となりましたが、翌年のベルリン世界陸上では7位入賞を果たします。

約10年の実業団生活を過ごし、2014年度をもって現役を引退しました。

2008年北京五輪の女子マラソンを走る中村友梨香さん
2008年の北京五輪、女子マラソン日本代表として出場。世界の強豪選手に挑みました。

中村さんと下駄との出会い

中村さんが下駄と出会ったのは2016年のことでした。中村さんは現役引退後、短距離の元日本記録保持者・朝原宣治さんが代表をされているNoby Sports Clubでお仕事をされていました。その時に過去に当クラブの研究員をされていた宮崎要輔さんに出会ったそうです。

「宮崎さんは一本歯下駄のトレーニングと理論をされているということでした。当時は聞いたこともない不思議なものでした(笑)。ただ、直感的に自分で試してみようと思ったんです。当時は指導をスタートしたばかりだったのですが、指導にも生かせそうと感じて、すぐ自分で買って試してみました」

早速、一本歯下駄GETTAを購入し、陸上教室が始まる前の準備の段階から履いていたそうです。「下駄を履いて教室の準備をしていたので、きっと『変なコーチ』だと思われてましたよね(笑)。GETTAを履いて歩いていると、感覚としては陸上の動き作りでいうトロッティングのような感覚でした」

当時、現役を引退してからほとんど走っていなかったそうですが、たまにシューズで走る瞬間にある変化を感じたそうです。「当時は全然走っていなくて、ランニングをしても走りが重かったんです。体重が増えて重いというよりも感覚としても重い感じでした。それが日頃から下駄を履いていたら、体重はそんなに変わっていないのに走りが軽いんです。タイムではなくて、主観的な感覚です。現役時代の走る感覚に戻った感じでした」

講習で一本歯下駄を履いて動きを見せる中村友梨香さん
下駄を継続して履いているうちに「走りの軽さ」を実感されたそうです。

くるぶしの下に体重を乗せる感覚

Noby Sports Clubでは短距離のコーチも在籍していることから、動きづくりも細かくて丁寧に行っています。

「天満屋の時もウォーミングアップで股関節や肩甲骨を動かす種目をしていましたが、短距離はここまで細かく意識してやるんだ!と驚きました。ただ、下駄をずっと履いていると、スッと自然にできたり、ピタッと感覚をつかめたりしました。くるぶしの下に体重を乗せることなど、色々なコーチの指導を学んでる時期でした。『くるぶしの下って、まさに下駄じゃん!』って思いましたね。下駄を履いていなかったら、もっと感覚わかりにくかったかもしれません」。下駄を日頃から履いていたことで、それまでに経験したことのない動きも比較的スムーズにできたそうです。

もしも中村さんが現役時代に下駄に出会っていたら・・・

「現役時代、うまくいかなくて行き詰まった時期もありました。現役を引退して1〜2年は『これやっておけばどうなっていたかな?』と思うこともありました。今は思わないですけど(笑)。もしも下駄に出会っていれば面白かったかもしれないです。ただ、気持ちのアンテナが張れる状態が大事です」。中村さんはタイミングや縁も大事とお話されました。

Noby Sports Clubでは長距離・マラソンコースをメインに担当しています。

「クラブからも許可をいただき、ウォーミングアップで下駄を取り入れています。前半の10〜20分、下駄の時間を入れると会員さんから『下駄を履いたら感覚変わります』と嬉しい声も聞こえてきます」

新しい会員さんは「え?これ履くんですか?」となるそうですが、履き続けていくうちに変化を感じていただけるとか。

「下駄を履いて体操したり、色々なジャンプをしたりしています。くるぶしの下に体重を乗っける感覚がない人ほど、走りが変わりますね」

クラブでは気に入って購入される方もいらっしゃるそうで「GETTAは外でアクティブにも家で静かにも履けるのがいいですね!」と中村さんは太鼓判を押します。

その他には、名古屋で女性だけのランニングチームで下駄を取り入れたりもしているそうです。

屋外で一本歯下駄の講習を行う中村友梨香さんと参加者
くるぶしの下に体重を乗せる感覚を大切にされています。

伸びる人の共通点

また、昨年から神戸学院大学のコーチに就任。昨年は2年ぶりの全国の舞台となる富士山女子駅伝出場にチームとして出場しました。

故障している選手や走りを変えたい選手を中心に下駄を活用することもあるそうです。

「選手が何かきっかけ掴みたい時というのがやるのにいいタイミングだと思っています。大学生なので全体で毎日というよりはこういう悩みならこういう下駄という感じで勧めることはあります。強制ではなく、自分で選択して自ら取り組むことで身になりますよね」

実業団の名門で競技者として、市民ランナーさんの指導、大学生のコーチとして、陸上競技やランニングに関わってきた中村さんに「伸びる人の共通点」について伺いました。

「監督、コーチのアドバイスに対して、いったんやってみるという行動ですね。100個強くなる方法があればそのうちの1個かもしれないです。このプロセス踏めない人は結果的に遠回りしている気がします。まずは1回やってみて、自分なりにアレンジして取り入れてみるなど、色々なアドバイスをまずは1回やってみますという人に伸びるイメージがありますね」

中村さんが感じる下駄トレーニングの効果、ねらいについて、あらためて伺いました。

「下駄トレーニングは、地面に力を加えて効率よく走るためのサポートをしてくれるアイテムだと感じています。厚底シューズですと、自分の走りの感覚がシューズの感覚に引っ張られてしまいがちですが、自分のフラットに立った時にくるぶしの下に重心がきて体重を乗せることで、自分のゼロ地点を確認することができます」

さらに走る現場以外にもオススメという中村さん。

「また、本当に走りに関係なく、こどもからご高齢の方まで履いていただけるのも魅力です。腰や膝の痛みに悩んでいる方にもぜひ履いていただきたいですね」

海外での講習で一本歯下駄を履いて歩く参加者
老若男女、国内だけではなく海外の方まで、履いていただけるのも下駄の魅力と中村さんは言います。

ルーティンや生活の中に下駄を取り入れる

今後、挑戦していきたいことについて中村さんに伺いました。

「昨年、ご縁を、いただいてタイで下駄の講習やらせてもらいました。そうしたら下駄を持っているタイ人の方がいたんです。留学したときに買ったみたいで。日本の伝統的なもので、作られた面白いアイテムですし、機会があれば日本以外のところでも活動していきたいです」

現在、一本歯下駄インストラクターS級として活動している中村さん。

「一本歯下駄インストラクターは本当に幅広く使えるもので、1回学んでみると自分の現場とリンクするものがあると思います。インストラクターで学んだことをその人ならではのオリジナリティとして、強みとして、いかに自分の現場と結びつけるかですね」

下駄トレーニングがなかなか続けられないという市民ランナーさんの声を耳にすることがあるそうです。

「アスリートは使命感があって、こうなりたいというのが強いので続けられますが、一般の市民ランナーさんは続かない人もいます。そんな方には自分の1日のルーティンの中に組み込んで、1日3分でもいいので、歯磨きしている時に履くとか、家の中で足踏みするとか、ルーティンや生活の中に取り入れてほしいですね」

実業団選手として五輪や世界陸上を駆け抜けてきた中村友梨香さん。現役引退後に出会った下駄を通じて、市民ランナーさんや学生アスリートの笑顔のために、日々チャレンジし続けています。

海外での一本歯下駄講習に参加したみなさんの集合写真
ルーティンや生活の中に下駄を取り入れてほしいという願いとともに中村さんの挑戦は続きます!
一本歯下駄GETTAを手に笑う宮崎要輔とM高史さん
一本歯下駄GETTA開発者の宮崎要輔(左)と、連載の聞き手・M高史さん(右)

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この連載では、一本歯下駄GETTAのインストラクターに、M高史さんがお話を伺っています。インストラクターとして活動を始めたら、指導の現場や一本歯下駄で変わったことを、次はあなたの言葉で聞かせてください。

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